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薬局サーベイランスによると、2019/1/21~2019/1/27(2019年第4週)のインフルエンザの推定患者数は、2009年に開始されて以来最多であった前週の値(約207万人)を更に上回って約228万人となりました。一方、週明けの1月28日の推定患者数は約44万人と前週の値(約52万人)を下回っていて、今週の患者数は前週よりも減少すると予想されます。
都道府県別情報
各都道府県別の第4週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数をみると福井県、三重県、栃木県、秋田県、北海道、奈良県、新潟県、茨城県、滋賀県、大分県の順となっており、31都道府県では前週よりも増加が見られています。年齢群別情報
2018/9/3~9/9(2018年第36週)から2019/1/21~1/27(2019年第4週)までの累積の推定患者数は7,754,633であり、2018年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は6.12%でした。年齢群別での累積罹患率は5~9歳(19.95%)、10~14歳(14.79%)、0~4歳(13.76%)、15~19歳(8.28%)、30~39歳(6.48%)、20~29歳(6.43%)、40~49歳(5.83%)、50~59歳(4.73%)の順となっていて、例年に比べると成人層の罹患率が高くなっています。ウイルスの型
国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(1,104検体解析)は、A/H1pdm が64.6%と多く、次いでA/H3(A香港)亜型33.9%、B型1.5%の順となっている一方、1月に入ってからはA/H3(A香港)亜型の検出数が半数近くを占めています。1/21~1/28(2019年第4週)のインフルエンザの推定患者数は約228万人と、前週に続いて2009年に薬局サーベイランスが始まって以来の最多数を更新しましたが、今週(第5週)は減少に転じると予想されます。しかしまだ大きな流行状態であることには変わりはなく、今しばらくはインフルエンザの流行には警戒が必要です。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏