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過去10シーズンと今シーズンの<br />第36~第47週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移 過去10シーズンと今シーズンの
第36~第47週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移
 薬局サーベイランス によると、2018/11/26~12/2(第48週)のインフルエンザの1週間当たりの推定患者数は36,580となりました。前週の値(18,599)の2倍近い急激な増加であり、全国的な流行開始の基準値(週当たり推定患者数=30,000/週)を今シーズン初めて上回りました。また、休日明けの12/3の1日当たりの推定患者数は11,447と今シーズンこれまでの最高値(7,157)を大きく上回っていて、今週も患者数は大きく増加していくと予想されます。

都道府県別情報

 各都道府県別の第48週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数をみると福井県、北海道、三重県、富山県、愛知県、長野県、和歌山県、香川県の順となっていて、41都道府県で前週よりも患者数の増加が見られています。

年齢群別情報

 2018/9/3~9/9(第36週)から11/26~12/2(第48週)までの累積の推定患者数は12,5757であり、年齢群別では5~9歳(19.5%)、40~49歳(13.3%)、30~39歳(12.7%)、10~14歳(11.8%)、0~4歳(11.3%)の順となっていて、小児の罹患者の割合が増加しつつあります。

ウイルスの型

 国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報 によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(203検体解析)は、A/H1pdm が72.4%と多く、次いでA/H3(A香港)亜型25.1%、B型2.5%の順となっています。

 昨シーズンよりは1週間遅くなりましたが、今シーズンは11月の最終週(第48週)からインフルエンザの全国的な流行が始まりました。12月に入って流行はさらに拡大していくことが予想されます。インフルエンザの患者発生状況には充分にご注意ください。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏