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RSウイルス感染症 2018/7/16~7/22(第29週)は、前週に比べ患者報告数の増加傾向が続いています。8月には、昨年と同様に本格的な流行となる可能性が高いと思われます。特に乳幼児の育児に関わる方は、RSウイルス感染症の流行に警戒が必要です。
RSウイルス感染症に感染すると、1%から3%が重症化すると言われています。生後1か月未満の赤ちゃんには無呼吸の症状が現れ、ひどい場合には、突然死につながる可能性があると言われていて、注意が必要です。咳等の呼吸器症状を認める年長児や成人は、可能な限り0歳児、1歳児との接触を避けることが乳幼児の発症予防に繋がります。
患者数の動向
IDWRの速報データによると2018/7/9~7/15(第28週)は、定点把握疾患、報告数が2194件(0.7)
2018/7/16~7/22(第29週)は、定点把握疾患、報告数が2388件(0.76)
※前週と比較して患者報告数は増加傾向。
地域別情報
2018/7/16~7/22(第29週)の速報データによる患者数が多い都道府県ランキング・沖縄県
・福島県
・山口県
・北海道
・新潟県
症状
主な症状は感染してから2~8日後に発症。発熱や鼻水などの症状が数日続きます。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。速やかにかかりつけ医へ行く症状
・咳で何回も夜中に起きる・咳込んで嘔吐してしまう
・熱が下がっても症状が改善されない
・息がゼイゼイと呼吸が苦しそうになる
生後6か月未満の乳児で特に注意してほしい症状
粘っこい鼻水による鼻づまりの症状が非常に強くなることがあります。3か月未満の乳児は、口呼吸ができていません。鼻で呼吸をしているために、粘っこい鼻水が詰まっただけでも苦しくなります。そして更に、ミルクやおっぱいを飲む時に、口もふさがってしまうと呼吸がしにくい状態となります。
保護者の方は、おっぱいの飲みが悪くなったなどの変化を注意深く観察しましょう。
特に生後1か月の新生児のお世話は
生後1か月未満の新生児は、特別な症状が現れることがあります。これは息を止めてしまう無呼吸という症状です。ひどい場合には突然死につながる可能性があるため、注意が必要です。
治療方法
RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は症状を和らげる対症療法になります。感染経路
飛沫感染と接触感染です。感染力が強く、また生涯にわたって何度も顕性感染を繰り返すといわれています。咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着しているおもちゃやコップなどを触ったり舐めたりすることで、感染します。予防法
RSウイルス感染症の予防法は、手洗い、咳エチケットなどが有効ですが、乳幼児自身が予防することは難しいです。そのため、咳などの症状がある年長児や大人には、0歳児、1歳児のお世話はすすめられません。しかしながら、お世話をしなければならないときは、手洗いやマスクの装着などで乳児に感染させないように気をつけましょう。RSウイルス感染症について詳しく見る
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏