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ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に夏季に流行する、いわゆる夏かぜの代表的疾患です。ヘルパンギーナの報告数は、2018/7/2~7/8(第27週)は前週よりも急増しています。日本では、毎年5月頃から増加し始め、7月下旬頃にピークとなり、8月に入り減少していきます。
特異的な予防法はありませんが、感染者との密接な接触を避けること、流行時に手洗いを励行することなどがあります。
本症の大部分は軽症疾患で、登校登園については手足口病と同様、流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって判断すべきであると考えられます。
患者数の動向
IDWRの速報データによると2018/6/25~7/1(第26週)は、定点把握疾患、報告数が3161件(1.0)
2018/7/2~7/8(第27週)は、定点把握疾患、報告数が4653件(1.47)
※前週と比較して急増
地域別情報
2018/7/2~7/8(第27週)の速報データによると患者数が多い都道府県ランキング・佐賀県
・新潟県
・静岡県
・香川県
・山口県
症状
2~4日の潜伏期を経過し、突然の発熱に続いて咽頭痛が出現し、咽頭粘膜の発赤が顕著となり、口腔内、主として軟口蓋から口蓋弓にかけての部位に直径1~2mm、場合により大きいものでは5mmほどの紅暈(こううん、皮膚が部分的に充血して赤く見えること)で囲まれた小水疱が出現します。小水疱はやがて破れ、浅い潰瘍を形成し、疼痛を伴います。発熱については、2~4日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失します。発熱時に熱性けいれんを伴うことや、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈することがありますが、ほとんどは予後良好です。治療・予防
特異的な治療法はなく通常は対症療法のみです。時には脱水に対する治療が必要なこともあります。時に無菌性髄膜炎等の合併例では入院治療が必要です。特異的な予防法はありませんが、感染者との密接な接触を避けること、流行時に手洗いを励行することなどがあります。
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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏