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過去7シーズンと今シーズン(2017/2018年シーズン)の<br /> 第36~第7週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移 過去7シーズンと今シーズン(2017/2018年シーズン)の
第36~第7週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移
 2/12~18(第7週)のインフルエンザの患者数は約109万人と前週よりも大幅に減少しました。今週(第8週)の患者数は100万人を下回ることが予想され、インフルエンザの流行は漸く一段落しつつあると思われます。一方、現在のB型インフルエンザを中心とした流行は継続しており、まだしばらくはインフルエンザの流行に注意が必要です。

流行のようす

 2/12~18(第7週)の1週間当たりのインフルエンザの推定患者数は1,085,765と前週の値(1,659,426)よりも大幅に減少し、これで2週間連続しての減少となりました。また、週明けの2/19(月)の推定患者数は227,013と前週の休日明けであった2/13(火)の値を下回っており、インフルエンザの患者数は今後更に減少していくものと予想されます。

都道府県別情報

 都道府県別人口1万人当たりの2/12~18推定患者数数、多い順
 北海道
 徳島県
 高知県
 富山県
 三重県
 大分県
 岡山県

 ※沖縄県を除く46都道府県で前週の値よりも減少がみられました。

累積患者数

 2017/9/4~2018/2/18までの累積の推定患者数は1,1298,376でした。

 2017/10/1現在の人口統計を元にした累積罹患率は8.92%でした。

年齢群別情報(累積罹患率)

 5~9歳(39.16%)
 10~14歳(27.96%)
 0~4歳(20.50%)
 15~19歳(12.85%)
 40~49歳(7.84%)
 30~39歳、(7.44%)
 50~59歳(6.50%)
 20~29歳(6.20%)
 60~69歳(4.51%)
 70歳以上(2.97%)

 ※全ての年齢群で週当たりの罹患率は前週の値よりも減少しました。

ウイルスの型

 国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(3,528検体解析)の順
 A/H1pdm 41.2%
 B型 38.3%
 A/H3(A香港)亜型 20.5%

 年明けの2/8(第2週)以降に検出されたインフルエンザウイルス966検体の解析の順
 B型55.4%
 A/H3(A香港)亜型25.9%
 AH1pdm 18.7%

 ※B型(大半が山形系統)が多数を占めています

主な症状

 インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。

<インフルエンザにかかったら?>
 (1)具合が悪ければ早めに医療機関を受診しましょう。
 (2)安静にして、休養をとりましょう。特に、睡眠を十分にとることが大切です。
 (3)水分を十分に補給しましょう。お茶でもスープでも飲みたいもので結構です。
 (4)咳やくしゃみ等の症状のある時は、周りの方へうつさないように、不織布製マスクを着用しましょう。
 (5)人混みや繁華街への外出を控え、無理をして学校や職場等に行かないようにしましょう。

 また、小児、未成年者では、インフルエンザの罹患により、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロと歩き回る等の異常行動を起こすおそれがあります。自宅で療養する場合、インフルエンザと診断され治療が開始された後、少なくとも2日間は、小児・未成年者が一人にならないなどの配慮が必要です。

厚生労働省インフルエンザQ&A平成29年度(Q10)

 ※薬局サーベイランスとは、全国およそ1万箇所の薬局での調剤情報を集計することでインフルエンザ患者数を推計する調査(運用:公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本薬剤師会、日本大学薬学部薬学研究科、株式会社EMシステムズ共同運用)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏