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1月1~7日(第1週)のインフルエンザの推定患者数は、前週よりわずかに減少しましたが、冬期休暇が終了した第2週以降は急増し、インフルエンザの流行は本格化していくと予想されます。今後ともインフルエンザの患者発生状況には注意が必要です。
流行のようす
薬局サーベイランスによると、1月1~7日(第1週)のインフルエンザの推定患者数は、560,450です。前週(2017年12月25~31日)の値(571,230)よりわずかに減少しました。週明けの1月8日(月)の推定患者数も41,469と前日よりも更に減少がみられています。これは、冬季休暇および祝日の影響を強く受けている結果であり、1月9日以降患者数は急増する可能性が高いと思われます。都道府県別情報
都道府県別人口1万人当たりの1月1~7日推定受診者数、多い順福井県
宮崎県
大分県
熊本県
北海道
鹿児島県
静岡県
※九州地域でのインフルエンザの流行が目立っています。
累積患者数
2017年9月4日~2018年1月7日までの累積の推定患者数は2,063,270でした。2017年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は1.63%でした。
年齢群別情報(累積罹患率)
5~9歳(7.60%)10~14歳(4.92%)
0~4歳(4.03%)
15~19歳(2.00%)
30~39歳(1.60%)
40~49歳(1.54%)
20~29歳(1.27%)
14歳以下が流行の中心であることに変わりはありませんが、2018年1月1~7日(第1週)は30歳代、40歳代の患者数の増加が目立ちました。
ウイルスの型
国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは、およそ半数がA/H1pdmです。次いでB型(山形系統が大半を占めている)、A/H3(A香港)亜型の順となっています。
症状
インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38度以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快しますが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。※薬局サーベイランスとは、全国およそ1万箇所の薬局での調剤情報を集計することでインフルエンザ患者数を推計する調査(運用:公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本薬剤師会、日本大学薬学部薬学研究科、株式会社EMシステムズ共同運用)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏