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手足口病は7月の流行のピークに向けて報告数の増加が続いています。
これまでの流行の中心は大きな流行となった2015年以来のCA6型ウイルスであり、本年も2年ぶりの大きな流行となる可能性が高いと思われます。
このウイルスに感染した場合に発生する症状の特徴としては、他のウイルス型と比較して発疹が大きく、その出現範囲は大腿部、でん部、上腕部と広範囲に及びます。
また39度以上の高熱となることもあります。
乳幼児の保育、育児に携わっている方々は注意が必要であることはもちろんのこと、時に成人においてもこの手足口病に罹患する例がそれほど珍しくありません。
今後の手足口病の患者数の推移には注意が必要です。
地域別情報
2017年第24週(6/12~6/18)の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは香川県、次いで高知県、宮崎県、滋賀県、広島県の順となっています。症状
従来のCA16およびEV71による手足口病では、3~5日間の潜伏期間の後に、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹が出現してきます。発熱は約3分の1に認められますが軽度であり、高熱が続くことは通常はありません。通常は3~7日の経過で軽快し、水疱の跡が痂皮(かさぶた)となることもありません。このように手足口病は基本的には数日間の内に治癒する予後良好の疾患ですが、まれではあるものの髄膜炎を合併することがあり、非常に少ない例ですが、他に小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症などのほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺などの多彩な臨床症状を呈することもあります。特にEV71に感染した場合は、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いことが明らかとなってきていますので注意が必要です。一方、近年みられるようになったCA6による手足口病では、水疱が5mm程度と大きく、四肢末端に限局せずに前腕部から上腕部、大腿部から殿部と広範囲に認められ、発熱も39℃を上回ることも珍しくなく、水痘(水ぼうそう)との鑑別が困難な例もあります。また、手足口病を発症して治癒した後に、数週間を経て上下肢の爪が脱落する爪甲脱落症を来す場合があり、CA6を原因とする手足口病の特徴となっています。
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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏