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溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)の報告数は第23週(2017年6月5日~11日)も引き続き増加しており、過去10年間で最も報告数が多かった2015年に匹敵する大きな流行になっています。
今後さらに患者数が増加してくる可能性があり、家庭や施設等で乳幼児、学童の育児、保育に携わっている方々は十分な注意が必要です。
地域別情報
2017年第23週(6/5~6/11)の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは鳥取県、次いで山形県、大分県、福岡県、埼玉県の順となっています。概要
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(一般には溶連菌感染症と言われる場合が多いです)は、A群溶血性レンサ球菌によって引き起こされる感染症です。同菌は上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられるグラム陽性菌で、菌の侵入部位や組織によって多彩な臨床症状を引き起こすことが知られています。
最も多く発生している急性咽頭炎の他にも、日常的にみられる感染病態として、膿痂疹、蜂巣織炎、あるいは抗菌薬による治療が発達する前によくみられていた病型として猩紅熱があります。その他にも中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などをきたすことがあります。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)について詳しく見る▼
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏