今後は推定受診者数が100万人を超える本格的な流行期間がどれくらい継続するか、注意して見ていく必要があります。これからもインフルエンザの患者発生の推移には十分な注意が必要です。
流行のようす
薬局サーベイランスによると、2017年第5週(1月30日~2月5日)の全国のインフルエンザ推定受診患者数は、前週の推定値(1,439,807人)よりもわずかに増加して1,442,043人となり、3週連続して100万人を上回るとともに、2008年に本サーベイランスが始まって以来の最高値をさらに更新しました。一方、休日明けの月曜日(2月6日)の推定受診者数は288,571人と前週(1月30日)の値(370,432人)よりも大幅に減少していて、2月上旬以降の患者数はこれまでより減少するものと予想されます。
都道府県別情報
各都道府県別の一週間あたり推定受診者数をみると、福井県、奈良県、大分県、徳島県、高知県、広島県、宮崎県、三重県、岐阜県、岡山県、鹿児島県の順となっています。27府県で前週よりも増加が見られました。年齢別情報
今シーズン累積の推定患者数は6,316,207人であり、日本の人口推計値(2016年11月1日現在、1億2695万人)で換算すると、累積の罹患率は約4.98%となりました。罹患率を年齢群別で比較すると、5~9歳(16.17%、858,440人)、10~14歳(15.45%、849,594人)、0~4歳(10.03%、515,687人)、15~19歳(10.02%、599,180人)、20~29歳(4.92%、625,453人)、30~39歳(4.65%、707,736人)、40~49歳(4.19%、794,000人)、50~59歳(3.62%、556,067人)、60~69歳(2.24%、410,036人)、70歳以上(1.64%、400,014人)の順となっています。
第5週の推定受診者数は、多くの年齢群で前週よりも増加していますが、罹患率が高く流行の中心である5~9歳、10~14歳の年齢群に加えて15~19歳の年齢群では減少が見られました。
ウイルスの型
国立感染症研究所によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは、A/H3(A香港)亜型が91.0%と大半を占めており、次いでA/H1pdm 5.2%、B型3.8%の順となっています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2017/2/7
更新:2017/2/7