図.感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症等) 定点あたり報告数 年次別・週別推移<br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏 図.感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症等) 定点あたり報告数 年次別・週別推移
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 感染報告数は2006年、2012年に次ぐ報告数となっており、すでに大きな流行となっています。今季は小児を中心に、昨年の流行とは異なった遺伝子型のノロウイルス(GII,2)が急増してきています。特に育児、保育に携わっている方は今後も厳重な注意が必要です。

地域別情報

 2016年第49週(12/5~12/11)の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは山形県、次いで宮城県、埼玉県、東京都、三重県となっています。

家庭における注意点

 学校、職場、施設内でノロウイルス感染によるおう吐・下痢症が発生しても、その最初の発端は家庭内での感染による場合が多いです。特に子どもや高齢者は健康な成人よりもずっとノロウイルスに感染し、発病しやすいですから、家庭内での注意が大切です。

 (1)最も重要な予防方法は手洗いです。帰宅時、食事前には、家族の方々全員が流水・石けんによる手洗いを行うようにしてください。

 (2)貝類の内臓を含んだ生食は時にノロウイルス感染の原因となることを知っておいてください。高齢者や乳幼児は避ける方が無難です。

 (3)調理や配膳は、充分に流水・石けんで手を洗ってからおこなってください。

 (4)衣服や物品、おう吐物を洗い流した場所の消毒は次亜塩素酸系消毒剤(濃度は200~1000ppm、家庭用漂白剤の場合は約 50~200倍程度に薄めて)を使用してください。

 ※次亜塩素酸系消毒剤を使って、手指等の体の消毒をすることは絶対にやめてください。

ノロウイルス感染症について詳しく見る▼

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/12/22