図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第48週まで)<br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏 図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第48週まで)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 インフルエンザ流行の立ち上がりは、季節性インフルエンザとしては2009年の薬局サーベイランス開始以降では最も早い状態が続いており、12月中旬には本格的な流行となることが予想されます。インフルエンザの患者発生の推移には注意が必要です。

流行のようす

 薬局サーベイランスによると、2016年第48週(11月28日~12月4日)の推定患者数は101,128人で、第33週以降16週間連続して増加が続いています。また、第49週の月曜日(12月5日)の推定患者数は28,123人と、今シーズンこれまでの1日の患者数の最高値を1万人近く上回っており、インフルエンザの患者数は今後も更に増加するものと思われます。

都道府県別情報

 人口1万人当たりの1週間の推定受診者数は、富山県、福井県、北海道、栃木県、沖縄県、岩手県、秋田県、広島県、群馬県、東京都、山形県、山梨県、兵庫県の順となっています。

年齢別情報

 339,407人で、年齢群別では5~9歳(14.0%)、10~14歳(13.2%)、40~49歳(13.0%)、30~39歳(12.1%)、20~29歳(10.2%)、15~19歳(8.8%)、50~59歳(8.4%)、0~4歳(8.1%)の順となっています。5~14歳、20~40歳代の年齢群の増加が目立ちます。

ウイルスの型

 国立感染症研究所によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは、A/H3(A香港)亜型が85.8%と大半を占めており、次いでA/H1pdm11.6%、B型2.6%の順となっています。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/12/8