図.ヘルパンギーナ 定点あたり報告数 年次別週別推移<br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏 図.ヘルパンギーナ 定点あたり報告数 年次別週別推移
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 ヘルパンギーナは、乳幼児を中心に夏季に流行する、いわゆる夏かぜの代表的疾患です。

 ヘルパンギーナの報告数は第27週(7/4~7/10)まで急増が続いており、おそらく現在の第29週(7/18~7/24)は流行のピークにさしかかっていると予想されます。

 ヘルパンギーナの症状について知っていただき、お子様の体調の変化にご注意ください。

地域別情報

 2016年第27週(7/4~7/10)の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは愛媛県、次いで和歌山県、三重県、徳島県、大分県となっています。

症状

 2~4日の潜伏期を経過し、突然の発熱に続いて咽頭痛が出現します。咽頭粘膜の発赤が顕著となり、口腔内、主として軟口蓋から口蓋弓にかけての部位に直径1~2mm、場合により大きいものでは5mmほどの紅暈(こううん/皮膚が部分的に充血して赤く見えること)で囲まれた小水疱が出現します。小水疱はやがて破れ、浅い潰瘍を形成し、疼痛を伴います。

 発熱については2~4日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失します。発熱時に熱性けいれんを伴うことや、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈することがありますが、ほとんどは予後良好です。

予防

 特異的な予防法はありませんが、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどがあります。

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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/07/22