図.A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数年次別週別推移 2004年〜2015年第41週(10月5日〜10月11日)現在まで<br>監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏 図.A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数年次別週別推移 2004年〜2015年第41週(10月5日〜10月11日)現在まで
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)の報告数は、第41週(2015年10月5日〜10月11日)の時点で、過去10年の同時期と比較して最多となっています。今後、例年通りの推移をとるとすれば、12月のピークに向かってさらに増加する可能性があり、注意が必要です。

 喉の痛みと突然の発熱が同時におこり喉の奥がはれている場合は、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)を疑って、早めにかかりつけ医を受診しましょう。適切な治療を行わなかった場合、リウマチ熱、急性糸球体腎炎などの合併症を引き起こす可能性があります。

症状

 潜伏期は2〜5日ですが、潜伏期での感染性については明らかになっていません。発症する場合は突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症し、しばしば嘔吐を伴います。咽頭壁は浮腫状で扁桃には浸出液を伴っています。軟口蓋に点状出血がみられることがあり、更には特徴的な苺(イチゴ)舌が認められる場合があります。この苺舌ですが、発症早期には舌は白苔で覆われており、その後白苔が剥離した後で苺舌がみられます。発熱開始後12〜24時間すると点状紅斑様、日焼け様の皮疹が出現して猩紅熱と呼ばれる病態を呈することがあります。針頭大の皮疹により、 皮膚が紙ヤスリ様の手触りとなる事が特徴的です。この場合、通常顔面には皮疹はなく、額と頬が紅潮し、口の周りのみ蒼白にみえる(口囲蒼白)と言われています。

感染経路

 主な感染経路は、発症者もしくは保菌者(特に鼻咽頭部に保菌している者)由来の飛沫による飛沫感染と濃厚な直接接触による接触感染です。物品を介した間接接触による感染は稀とされていますが、患者もしくは保菌者由来の口腔もしくは鼻腔由来の体液が明らかに付着している物品では注意が必要です。発症者に対しては、適切な抗菌薬による治療が開始されてから48時間が経過するまでは学校、幼稚園、保育園での集団生活は許可すべきではないとされています。

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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2015/10/26