流行のようす
薬局サーベイランスによると、2015年第4週(1/19~25)の推定患者数は、1,301,481(約130万人)となり、第2週(約134万人)、第3週(約127万人)とほぼ同水準が維持しており、第4週までは例年のインフルエンザの流行のピークに匹敵する水準であったと考えられます。都道府県別情報
各都道府県のインフルエンザの流行の指標である第4週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数は、福井県、大分県、鹿児島県、熊本県、岡山県、宮崎県、富山県、佐賀県、広島県、徳島県、高知県、岐阜県の順となっています。中部地域では増加が続いている県が多いですが、他の地域では概ね横ばい傾向となっています。年齢別情報
先週のデータによると、15歳以下の年齢層の割合が50%をやや上回ってきており、特に5~9歳、10~14歳の年齢群の推定患者数はまだ急速に増加していますが、15歳以上の全ての年齢群では、2週連続して減少しています。一方、第5週に入った休日明けの1月26日(月)の推定患者数は、254,980(約25万人)と過去3週間の休日明けの推定患者数よりも減少しており、加えて第4週後半の推定患者数が減少傾向を示していることからも、今シーズン国内のインフルエンザの患者発生数は漸く減少に転じるものと推察されます。
ウイルスの型
国立感染症研究所によると、これまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは大半がA/H3(A香港)亜型である状態が続いています。今シーズンインフルエンザの流行
2015年の第2週、第3週、第4週と本格的な流行規模を保ったまま横ばいの状態が続いていましたが、第5週に入って減少しつつあります。しかし小児の年齢層での流行はまだ収まる気配を見せていませんし、今後は B型インフルエンザの患者発生数が増加してくるものと予想されることから、インフルエンザの流行の推移にはこれからも注意が必要です。
なお、2014年9月1日以降の今シーズンのインフルエンザの累積の推定患者数は2015年1月26日までで約652万人となっています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2015/1/29
更新:2015/1/29