昨シーズンの同時期と比較して、10倍以上であり、昨シーズンでは流行が本格化していた1月の第3週の値397,800人をもやや上回っています。今シーズンのインフルエンザの流行は既に本格的なものとなっています。
また、休日明けの12月22日(月)の推計受診者数は、196,332人と前週の月曜日の推計受診者数870,740人を大幅に上回りました。一方、次週(52週)はインフルエンザの流行の中心となる学校、幼稚園等が一斉に冬期休暇となるので推計受診者数の増加は鈍化し、2015年第1週は、減少傾向となるものと予想されます。
各都道府県のインフルエンザの流行の指標である人口1万人当たりの1週間の推計受診者数は、全ての都道府県で右肩上がりの増加を示しており、第51週では奈良県、埼玉県、北海道、香川県、東京都、神奈川県、福井県、千葉県、大阪府、岩手県の順となっています。全国的な流行となっていますが、中でも首都圏、近畿地方、北海道、東北地方の流行が目立ちます。
なお、これまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは大半が昨シーズンと同様のA香港型(A/H3)ですが、昨シーズンは、1月の本格的な流行期にA/H1pdmが急増しています。
インフルエンザの流行は、12月としては大きく、既に本格的なものとなっています。今後ともインフルエンザの推計受診者数の推移には十分な注意が必要です。
インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染であり、他に接触感染もあるといわれています。感染対策としては、飛沫感染対策としての咳エチケット、接触感染対策としての手洗い等の手指衛生が非常に重要です。特にたくさんのインフルエンザの発症者が集まる病院や、乳幼児・高齢者が集団生活を送っている施設では咳エチケットが重要です。マスクは鼻を出さずにあごまでしっかりと覆って正しく装着しましょう。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/12/24
更新:2014/12/24