デング熱の症状とデングウイルスを媒介するヒトスジシマカとは 「蚊による感染症・デング熱2015夏」

デング熱とはどんな病気?

 昨年夏、東京を中心に162人の感染者が出たデング熱。そのうちの多くの人が東京都内の公園で感染したということもあり、社会問題となりました。
 デング熱はデングウイルスという病原微生物を保有しているネッタイシマカやヒトスジシマカという蚊が、ヒトを刺すことで感染が広がります。


潜伏期間は2日から14日で、多くは3日から7日。
突然高い熱が出て、およそ7日間続きます。

初期症状は、発熱の他に頭痛、目の奥の痛み、顔面紅潮、続いて全身の筋肉痛、関節痛、全身倦怠感があらわれます。

発症後3日から4日後には胸などから発疹が始まり、手、足、顔に広がりますが、1週間程度で回復します。

治療薬はなく、発症した場合は、水分補給や解熱剤の投与などの対症療法が中心になります。


デング熱での流行地は、東南アジア、南アジア、中南米、アフリカで、世界で年間1億人近くの患者が発生しています。日本に最も近い流行地は台湾です。

デング熱が流行している国で感染して日本で発症するという例が、最近では年間に200名以上いて、増加傾向にあります。


デングウイルスは、ヒトからヒトへ直接うつりませんが、感染しているヒトを蚊が刺すと、その蚊にウイルスが移ります。

体内でウイルスを増殖させた蚊がヒトを刺すことで、感染が広がっていく可能性があります。


デングウイルスを媒介するヒトスジシマカ

ヒトスジシマカは体長4.5ミリ前後。黒と白の縞模様が特徴です。北海道と青森を除く、日本国内に広く生息するヤブカで、5月から10月が活動時期です。

蚊に刺されないためにはまず、蚊がどこにいるのかを知ることです。「待ち伏せ型の蚊」と言われており、いるところに近づかなければ、あまり刺されたりする心配がありませんが、実は意外と私たちの身近にいます。


ヒトスジシマカは、雨水などがたまったところに卵を産みます。

だから、水たまり、植木鉢の受け皿に溜まっている水、捨てられているビニール袋にできた水たまり。空き缶や空きペットボトルに雨水などがたまっていると、ここにも卵を産みます。


飲み終わったペットボトルは、きちんと所定のゴミ箱に捨てることが大切です。

ヒトスジシマカの移動距離は半径およそ50から100メートル。遊ぶときは、注意しましょう。


「デング熱が流行している東南アジアのある国では、ボウフラが湧きやすい洗面器や鉢のようなものを家の周りに置いておくと罰金を科せられる国もあります。

東京でも、水たまりをなくして、蚊の発生を抑えようというラッピングバスが走ったそうです。

情報:特別番組「知ってなっ得!感染症の予防~蚊による感染症~」より

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