熱性けいれん

 国立成育医療研究センターの久保田医師は、子どもの脳や神経の病気を専門に診ています。

久保田医師
 「主には1歳前後にピークがあります。子供達が38度以上の発熱に伴って、発作を起こす疾患…熱が誘発すると。

 その発作というのは、手をガクガクしたり、足をガクガクしたりっていうけいれんするんですが、ほとんどの原因は上気道炎…風邪引きですね。風邪引きのウイルスその他尿路感染、なんでも発熱をきたす様な感染があって、発作を起こすことがほとんどです」


 突然起こる熱性けいれん。どのように対処すればいいでしょうか?

久保田医師
 「触るにしても揺するにしても、それで止まるということはないんですけれども、それをやっちゃいけないということもないです。で、基本的にはその、呼吸が…体が硬くなって呼吸が辛くなることもあるので、衣服をまず緩める。それと、昔言われていた様に、舌を噛まないようにということで、口に箸をいれたり、タオルを入れたりっていうのは、むしろ嘔吐を誘発して、吐物が気管に入る時があるんですね。それで逆に事故が起こる可能性はあるので、これはやめた方がいいです」




 熱性けいれんは短ければおよそ30秒、平均でも3〜4分程度でおさまります。

 すぐに普通の状態に戻るようであれば、急いで医療機関を受診する必要はあまりありません。

 しかし、てんかんなど、他の病気の可能性がないわけではありません。

 熱性けいれんが起きた時に医師からお願いしたいことがあります。


久保田医師
 「できれば何分かかったか、何分で終わったかと言うのを後で教えてもらうと、発作の型がわかるので。最近はスマホとか色々ありますので、1回目でいきな りビデオというのは難しいでしょうけれども、様子をビデオに撮ってもらいたい。それはすっごい参考になります。口で言ってもらうのはかなり不確かなので、撮ってもらうというデータがすごく、後々のもし治療が必要な時の場合の参考になります」


医療監修:川崎医科大学 小児科学教授 中野貴司氏
協力:国立感染症研究所 感染症疫学センター第三室長 多屋 馨子氏
協力:田辺三菱製薬、制作協力:日テレアックスオン、製作著作:広島テレビ
更新:2016/11/20