経験談のご協力をお願いします。
※皆様からご投稿いただきました感染症経験談は、研究活動の研究報告として提出予定です。
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概要

 サルモネラ属菌は約2,500種が知られており、年々新しい型が発見されています。サルモネラ感染症は、チフス性疾患と非チフス性疾患とに大きく分けられます。チフス性疾患は、ヒトに強い病原性を示すものであり、消化器症状はあまり目立ちませんが、かなりの高熱が特徴です。非チフス性疾患は、消化器症状が主症状で、日本におけるサルモネラ感染症は、ほとんどが非チフス性です。

感染経路

 非チフス性サルモネラ属菌は、家畜、家禽(鳥類に属する家畜のこと。ニワトリ、ウズラ、七面鳥など)、野生動物の腸管に保菌されているために、鶏卵、鶏肉、その他腸内容物で汚染された食品などを介してヒトに感染を起こします。ペットや動物の排泄物から直接感染することもあります。感染源の動物としては、鳥類(インコ、カモ)、爬虫類(カメ、イグアナ、ヘビ)、両生類(カエル)が報告されており、日本で多いのはカメからの感染事例です。乳幼児施設や医療機関などでの集団感染の報告もあります。食中毒の原因ともなり、1999年には汚染されたイカ菓子によって全国で多数の感染者が発生しました。

症状

 非チフス性サルモネラ感染症は、主として急性胃腸炎を起こし、高熱を伴うことが多く、発熱が続く期間は3〜5日、下痢は7〜10日持続します。嘔吐や水様便のために急激に脱水症を起こすことがあります。新生児・乳児・免疫不全や基礎疾患のある症例では、敗血症、骨髄炎、膿瘍(化膿性の炎症で、組織が局部的に融解しうみがたまった状態)などの腸管外感染に進展することがあります。まれに化膿性髄膜炎、硬膜下膿瘍、脳膿瘍、脳症などの中枢神経感染症を合併します。

治療

 治療の原則は、第一に脱水の予防と治療です。発病初期には原因菌が不明であることが多いですが、細菌性胃腸炎が疑わしければ抗菌薬を投与する場合があります。止痢薬、鎮痛薬は使用しません。敗血症の疑いがある場合、腸管外感染症に進展する可能性がある場合には、速やかに抗菌薬を使用します。

予防

 鶏肉の調理に際して、調理器具や手指による二次汚染の予防に注意し、十分に加熱し、早めに食べること。また乳幼児には加熱していない鶏卵を与えることは避けます。


参考資料として
・「最新感染症ガイドR‐Book 2012」-日本小児医事出版社 2013年10月発行(編集:米国小児科学会、監修:岡部信彦 川崎市健康安全研究所所長)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/10