経験談のご協力をお願いします。
※皆様からご投稿いただきました感染症経験談は、研究活動の研究報告として提出予定です。
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概要

 黄熱は、黄熱ウイルスによってひきおこされる感染症です。

 黄熱ウイルスはサル、ヒトおよび蚊を宿主とし、蚊によって媒介される疾患です。黄熱ウイルスの媒介蚊は、デング熱の媒介蚊でもあるネッタイシマカが主です。ヒトが感染すると致死率は高いものの、回復すると終生免疫を残します。現在でもアフリカ、南米などで地域的流行が発生しています。

症状

 多くの場合軽症の熱性疾患ですが、約15%は重症化します。潜伏期は通常3〜6日です。軽症で治癒する場合は、発熱と頭痛が突然現れ、鼻カタル(鼻炎)症状のない点を除けばインフルエンザに類似しています。症状は、頭痛・発熱・悪心・嘔吐・結膜充血・蛋白尿などで、1〜3日で回復します。重症黄熱の場合は、感染期・寛解期(一時的に症状が軽くなったり消えたりしている時期)・中毒期の3段階に明確に分けられる臨床経過が特徴で、寛解期はわずか数時間です。発病は、頭痛・眩暈・高熱で突然始まり、発病2日目までには除脈(脈拍数48〜52/分)が現れます。黄熱の代表的な徴候は黄疸・出血(鼻出血・歯肉出血・下血・子宮出血)・蛋白尿(高度の蛋白尿であっても浮腫・腹水をきたすことはまれ)です。その他の症状として、嘔吐・結膜充血・顔面紅潮・せん妄(意識混濁に加え錯覚や幻覚が見られる状態)などがあります。発病した場合の致死率は10〜20%です。

治療

 治療は対症療法のみです。水・電解質のバランスに対する補正を行います。発熱に対しては解熱薬を投与し、播種性血管内凝固に対しては抗凝固療法を行います。

予防

 黄熱には、ワクチン接種(生ワクチン)による予防が最も効果的です。ワクチン接種により接種者の95%以上に10日目以後10年以上にわたり中和抗体が保持されます。歴史的・世界的に非常に副作用の少ない安全性の高いワクチンとして知られていますが、卵アレルギーがある場合は接種することができません。また、生ワクチンであるため、生後9か月以降になるまで接種は控えましょう。妊婦の場合も胎児への影響が不明であるため注意が必要です。


参考資料として
・「最新感染症ガイドR‐Book 2012」-日本小児医事出版社 2013年10月発行(編集:米国小児科学会、監修:岡部信彦 川崎市健康安全研究所所長)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/10