半年以上前に更新された記事です。

 新型コロナウイルス感染症の新規陽性者は、10月14日時点で、612人と報告されています。

 2ヶ月前には、1日2万人を超える感染者数で推移していましたが、10月に入り減少傾向となっています。

 一方で、新型コロナウイルスに感染し、病気が治癒した後も、後遺症のような症状が続いたという経験談が「感染症・予防接種ナビ」に寄せられました。

神奈川県 ぽんずさん(21歳)投稿時期:2021年9月

 私は大学生です。その日、友人と家でご飯を食べる約束をしていました。大学から帰ってきて時刻は18時。その前の授業中に頭痛がしていて、だるさもありました。私は偏頭痛持ちなので、いつもの頭痛かと思っていました。

 最寄り駅を降りて、家までの道を歩いていてもなんだかだるいと感じていました。家に着いて、熱を測ると38.0度でした。すぐに友人に電話をして、今日は会えないと言いました。その日は、暖かくして早めに寝ました。

 次の日の朝、熱を測ると38.6度。熱は上がっていました。新学期が始まったばかりだったので、学校を休むのに気が引け、すぐにPCR検査を受けなければと思い、近くのクリニックに行きました。病院に着いて38.9度。更に上がっていました。

 そして、PCR検査の結果は陰性でした。普通の風邪だろうと言われ、解熱剤と風邪薬をもらい帰宅しました。

 陰性が分かったので、友人がゼリーなどの食料を買ってきてくれました。その日の夜、熱はまだ38.0度。

 翌日、37.8度でした。少し下がってきましたが、大学は行けず家で休むことに。1日休むと体も楽になり、37.5度まで下がりました。

 翌日、34.7度と平熱よりも低いし、体も動けるくらいだったので、予約が入ってた教習所に2時間だけ行きました。

 そして翌日、平熱に戻っていて36.5度。もう大丈夫だと思い、13時からアルバイトに出勤しました。

 しかし、出勤中はぼーっとしていて、軽く目眩がしたり、だるかったりとそんな感じが続きました。18時に終わって家に帰って測ると37.6度。また上がっていました。

 翌日37.0度でした。教習所の検定が入っていたので、受けに行きました。終わって家に帰ってくると37.9度でした。

 その日の夜、37.1度。体温計が壊れたんじゃないかと思いましたが、2個持っていて測ると同じだったので不安がまた大きくなりました。

 翌日、大事な授業があったので、37.3度でしたが1コマだけ受けに病院に行きました。

 授業終わりに少し息苦しさを感じ、咳も出てきたので、そのままもう一度クリニックを受診しました。熱を測ると38.4度だったので、もう一度PCR検査を受けました。結果は陰性でした。

 翌日、また平熱に戻っていたので授業を1コマだけ出ました。帰ってくるとまただるさが残っていて咳が止まりませんでした。

 そして次の日のお昼くらいに39.6度の熱でした。その日の夜、咳が止まらず薬も飲めないくらいになり、救急車を呼んでもらい、病院に搬送されました。

 そこの病院では、酸素の値が正常だからと言って処置はしてくれず、レントゲンや血液検査、尿検査、PCR検査を受けました。

 レントゲンに少し影があり、コロナが疑わしいと言われました。抗原検査を受けると陰性で、PCR検査の結果は明後日出るから、もう少し待ってくれと言われ、その日は帰されました。

 そして翌日も咳は止まらず、呼吸困難になり、胸の痛みもあり、また救急車を呼んでもらい前日とは違う病院に搬送されました。

 そして、検査の結果、中等度の肺炎であり、肺は片方だけ真っ白だったそうです。

 PCR検査が陽性の為、即入院になりました。そこから、2週間治療して、退院できました。変異株だったそうです。

 退院後も肺炎が少しあった為、薬を飲んだり、通院したりしました。コロナ特有の嗅覚や味覚障害は全くありませんでした。

 4月に感染し、完全に体の状態が戻ったのは5ヶ月後ぐらいです。それまで、息苦しさや気分の沈み、だるさなどが続きました。

肺機能の変化

 コロナ感染後の後遺症について、新型コロナ感染者の治療にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師にお話を伺いました。

 (安井医師)新型コロナウイルス感染症の後遺症について、耳にすることがあります。

 後遺症ではないかとみられる症状については、味覚や嗅覚の障害から、神経症状と思われるものまで様々です。

 しかし、どこまで因果関係があるのか、よく分からない面もあります。

 確実に言えることは、入院患者が重症の肺炎を発症した場合、壊れた肺は縮んでいくため、肺機能が落ち、呼吸が苦しくなるケースはあります。

 退院後に、咳や倦怠感、痛みが残ることもあるようです。

海外でも後遺症とみられる症状が

 海外では、脱毛・記憶障害・睡眠障害・集中力低下などのケースも報告されています。

 後遺症については、まだ分からないことも多く、これから研究などが進んでいくと思われます。

<おことわり>ご紹介する経験談は、あくまでも投稿者個人の症状や意見です。
◇感染症・予防接種ナビでは、新型コロナウイルスに感染した方や新型コロナワクチンを接種した方からの経験談を募集しています。

引用:厚生労働省「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-」
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏