図.咽頭結膜熱 流行のようす (第41週) <br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏 図.咽頭結膜熱 流行のようす (第41週)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 咽頭結膜熱は、例年6〜7月に流行のピークを迎えますが、12月を中心に冬季にも流行する感染症です。2019年はこれまでのところ、過去10年間で冬期の流行が最も大きかった2017年の患者報告数と同水準で推移しており、今後の動向には注意が必要です。主な感染経路は接触感染ですが、その感染力は強力であり、感染対策としては特に手指衛生が重要です。

 咽頭結膜熱は、別名プール熱とも呼ばれています。春から夏にかけて流行する感染症で、例年、患者数は5月から増え6〜7月が流行のピークとなりますが、12月を中心に冬季にも流行する感染症です。感染力は強力です。直接接触だけではなくタオル、ドアの取っ手、階段やエスカレーターの手すり、エレベーターのボタン等の不特定多数の人が触る物品を介した間接接触でも感染が広がります。最も大切な感染対策は、流水・石鹸による手洗いです。アルコールは効果的ではありません。

 なお、プール熱という名前の方が一般的に知られるようになり、プールに入ったら感染してしまうなどのイメージを持っている方もいますが、残留塩素濃度の基準を満たしているプールの水を介して感染することはほとんどありません。

患者数の動向

 IDWRの速報データによると
 2019/9/23〜9/29(第39週)は、定点把握疾患(週報告)が1147件(0.36)
 2019/9/30〜10/6(第40週)は、定点把握疾患(週報告)が1279件(0.4)
 2019/10/7〜10/13(第41週)は、定点把握疾患(週報告)が1234件(0.39)

地域別情報

 10/7〜10/13(第41週)の速報データによる、定点当たり報告数が最も多い順
 福井県(1.22)
 香川県(1.18)
 沖縄県(1.12)
 鳥取県(1.11)
 高知県(0.97)

症状

 主な症状は以下の3つです。
 ・発熱
 ・咽頭炎(咽頭発赤、咽頭痛)
 ・結膜炎(結膜充血、眼痛、流涙、眼脂)

 眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも症状が現れます。

 潜伏期は5〜7日とされています。

 ただし、生後14日以内の新生児に感染した場合は全身性感染を起こしやすく、重症化する場合があることが報告されています。

感染経路

 感染経路は通常、「飛沫感染」、または手指を介した「接触感染」です。また、結膜や上気道からの感染もあります。

治療方法

 特異的な治療方法はなく、対症療法が中心となります。眼の症状が強い時には、眼科的治療が必要となることもあります。

予防法

 主に接触感染で伝播し、感染力は強力です。予防には感染者との密接な接触を避けること、流行時に手指の消毒をしっかりと行うことです。

 タオル、階段やエスカレーターの手すり等の不特定多数の人が触る物品による間接的な接触で感染するため、流行期間中はしっかりと手を洗うことを心がけてください。

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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏