図.RSウイルス 流行のようす(第37週)<br /> 監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏 図.RSウイルス 流行のようす(第37週)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 2019/9/9〜9/15(第37週)のRSウイルス感染症の1週間当たりの患者報告数は、2004年の発生動向調査開始以降 最多の報告数となっています。今後10月以降も流行状態は継続していくものと予想されるため、しばらくは乳幼児の育児・保育にかかわる方は警戒が必要です。

 RSウイルス感染症は、感染力が強く、また生涯にわたって何度も顕性感染を繰り返すといわれています。年長者の再感染例等では典型的な症状があらわれず流行を効果的に抑制することは困難である場合が多いです。特に乳幼児の育児に係わる方は、休日や夜間の診療や問い合わせ先などを前もって把握しておきましょう。

 RSウイルス感染症に感染すると、1%から3%が重症化すると言われています。生後1か月未満の乳児は無呼吸の症状が現れ、ひどい場合には、突然死につながる可能性があると言われていて、注意が必要です。

 咳等の呼吸器症状を認める年長児や成人は、可能な限り0歳児、1歳児との接触を避けることが乳幼児の発症予防に繋がります。

患者数の動向

 IDWRの速報データによると
 2019/8/26〜9/1(第35週)は定点把握疾患、報告数が7,673件(2.43)
 2019/9/2〜9/8(第36週)は定点把握疾患、報告数が9,842件(3.12)
 2019/9/9〜9/15(第37週)は定点把握疾患、報告数が10,846件(3.45)

地域別情報

 2019/9/9〜9/15(第37週)の速報データによる患者数が多い都道府県ランキング
 ・佐賀県(8.7)
 ・宮崎県(8.42)
 ・愛媛県(7.16)
 ・徳島県(6.7)
 ・長崎県(6.27)

 ( )内の数字は定点当り報告数です。

感染経路

 飛沫感染と接触感染です。咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着しているおもちゃやコップなどを触ったり舐めたりすることで、感染します。年長者の再感染例等では典型的な症状があらわれず、RSウイルス感染と気付かれない軽症例も多数存在することから、家族間の感染や乳幼児の集団生活施設等での流行を効果的に抑制することは困難である場合が多いです。

速やかにかかりつけ医へ行く症状

 ・息がゼイゼイと呼吸が苦しそうになる
 ・咳で何回も夜中に起きる
 ・咳込んで嘔吐してしまう
 ・熱が下がっても症状が改善されない

生後6か月未満の乳児で特に注意してほしい症状

 粘っこい鼻水による鼻づまりの症状が非常に強くなることがあります。3か月未満の乳児は、口呼吸ができていません。鼻で呼吸をしているために、粘っこい鼻水が詰まっただけでも苦しくなります。

 そして更に、ミルクやおっぱいを飲む時に、口もふさがってしまうと呼吸がしにくい状態となります。

 保護者の方は、乳児がおっぱいの飲みが悪くなったなどの変化を注意深く観察しましょう。

特に生後1か月の新生児のお世話は

 生後1か月未満の新生児は、特別な症状が現れることがあります。これは息を止めてしまう無呼吸という症状です。ひどい場合には突然死につながる可能性があるため、注意が必要です。

予防法

 RSウイルス感染症の予防法は、手洗い、咳エチケットなどが有効ですが、乳幼児自身が予防することは難しいです。そのため、咳などの症状がある年長児や大人には、0歳児、1歳児のお世話はすすめられません。しかしながら、お世話をしなければならないときは、手洗いやマスクの装着などで乳児に感染させないように気をつけましょう。

症状

 主な症状は感染してから2〜8日後に発症。発熱や鼻水などの症状が数日続きます。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。

治療方法

 RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は症状を和らげる対症療法になります。

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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏