2月に注意してほしい感染症

【No1】インフルエンザ…1/29〜2/4(第5週)の患者数は約190万人と過去最多。B型インフルエンザが流行の主流となりつつあり、しばらくは厳重な警戒が必要です。

【No2】溶連菌感染症…例年1〜2月は増加傾向です。

【No3】ノロウイルス感染症…患者発生のピークは例年12月中となることが多く、冬季は流行が続きます。ご注意ください。

【No4】ロタウイルス感染症…2〜3月は患者数が増加し、流行時期となってきます。注意が必要です。

 感染症ごとに、更に詳しくみていきましょう。

インフルエンザ

 インフルエンザは、1〜4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快しますが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。主な感染経路は、くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染です。他に接触感染もあるといわれています。

 インフルエンザの予防には、予防接種を受けることが有効です。予防接種を受けることで、発症率、重症化率の低減につながると言われています。インフルエンザの感染対策とてしては、飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト―ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。

インフルエンザ

溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)

 溶連菌感染症は、子どもがかかりやすく、発疹が出る感染症です。主な感染経路は、発症者もしくは保菌者(特に鼻咽頭部に保菌している者)由来の飛沫による飛沫感染と濃厚な直接接触による接触感染です。物品を介した間接接触による感染はまれですが、患者、保菌者由来の口腔、もしくは鼻腔由来の体液が明らかに付着している物品では注意が必要です。予防のためのワクチンはまだ実用化されていません。予防には、手洗い、咳エチケットなどが有効です。

溶連菌感染症

ノロウイルス感染症

 ノロウイルス感染症の主な症状は、はき気、おう吐及び下痢です。通常は便に血液は混じりません。あまり高い熱とならないことが多いです。小児ではおう吐が多く、おう吐・下痢は一日数回からひどい時には10回以上の時もあります。感染してから発病するまでの潜伏期間は、1〜2日です。ノロウイルスにはワクチンもなく、その感染を防ぐことは簡単ではありません。そして特に子ども達や高齢者には簡単に感染して発病します。最も重要で、効果的な予防方法は「流水・石けんによる手洗い」です。

ノロウイルス感染症

ノロウイルス感染症吐物処理法を解説

ロタウイルス感染症

 先進国、発展途上国を問わず、罹患率が高いのがロタウイルスです。ほとんどすべての子どもが4〜5歳までに感染します。初感染であれば新生児期を除いて不顕性感染(感染していながら臨床的に確認しうる症状を示さず健康にみえる状態)はまれです。生後6か月以降2歳未満の時期に感染するともっとも重症化しやすいといわれており、入院治療を必要とする乳幼児下痢症の35〜52%がロタウイルスによるものです。

 好発年齢は乳幼児で、特に1歳児に多く、年齢が上がるにつれだんだんと減っていきます。脱水などのために入院治療が必要となるのはほとんどが就学前(6歳以下)の乳幼児で、2歳未満児(ただし、3か月以上)が過半数を占めます。生涯をとおしてロタウイルス感染は繰り返し起こりますが、一般に年長児や成人は不顕性感染となります。

 従来、12〜1月に流行し、冬季下痢症と呼ばれてきましたが、最近の日本での流行のピークは3〜5月となっています。初冬(11月〜1月)に流行するノロウイルス感染症と入れ替わるようにロタウイルスの流行がみられ、ウイルス性胃腸炎として二峰性のピークを示すことが最近の日本での流行の特徴です。

ロタウイルス感染症

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏