半年以上前に更新された記事です。

過去7シーズンと今シーズン(2017/2018年シーズン)の<br />第36~第4週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移 過去7シーズンと今シーズン(2017/2018年シーズン)の
第36~第4週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移
 インフルエンザの流行が非常に大きくなっています。不要不急の外出を控えてください。

 今週(1/29~2/4)は更に患者数が増加する可能性があります。まだしばらくはインフルエンザの流行に厳重な警戒が必要です。

流行のようす

 1/22~28(第4週)の1週間当たりのインフルエンザの推定患者数は前週の値(1,775,796)とほぼ同数の1,774,469です。1/8~28(第3週、第4週)と流行は横ばい状態となりました。一方、週明けの1月29日(月)の推定患者数は453,265と今シーズンの1日当たりの推定患者数の最多数を上回っており、1/29~2/4(第5週)の患者数は更に増加する可能性があります。

都道府県別情報

 都道府県別人口1万人当たりの1/22~28推定受診者数、多い順
 福井県
 大分県
 三重県
 熊本県
 奈良県
 富山県
 岐阜県
 鹿児島県
 北海道
 栃木県
 静岡県

 ※西日本では大半の地域で患者数の減少がみられていますが、首都圏を含む東日本では多くの地域で増加しています。

累積患者数

 2017年9月4日~2018年1月28日までの累積の推定患者数は6,617,470でした。

 2017年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は5.22%でした。

年齢群別情報(累積罹患率)

 5~9歳(22.89%)
 10~14歳(16.08%)
 0~4歳(11.97%)
 15~19歳(7.54%)
 40~49歳(4.67%)
 30~39歳、(4.52%)
 20~29歳(3.92%)
 50~59歳(3.83%)
 60~69歳(2.56%)
 70歳以上(1.56%)

 ※5~9歳の累積罹患率は20%を超えています。

ウイルスの型

 国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(1,849検体解析)の順
 A/H1pdm 49.9%
 B型30.6%
 A/H3(A香港)亜型19.5%
 AH1pdmが約半数を占めていることは変わりませんが、B型(特に山形系統)の割合が増加してきています。

主な症状

 インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。

インフルエンザの感染対策

 飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。

感染予防

 飛沫感染対策として「咳エチケット」、接触感染対策としての「手洗いの徹底」が重要であると考えられます。今回は、正しい手の洗い方を解説します。

<正しい手洗いの仕方>
(1)しっかりと石けんを泡立てる。
(2)手のひらをしっかりとこすりあわせて洗う。
(3)指の間を手を交互に入れ替えて洗う。
(4)手の甲を左右とも手のひらでこすって洗う。
(5)爪の先を手のひらでこするようにして爪の間もしっかりと洗う。
(6)親指の付け根をしっかりとねじり洗い。
(7)両方の手首をしっかりとねじって洗う。

 ※薬局サーベイランスとは、全国およそ1万箇所の薬局での調剤情報を集計することでインフルエンザ患者数を推計する調査(運用:公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本薬剤師会、日本大学薬学部薬学研究科、株式会社EMシステムズ共同運用)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏