図.咽頭結膜熱 流行の様子<br />情報元:IDWR2017年10月23日〜2017年10月29日(第43週) 図.咽頭結膜熱 流行の様子
情報元:IDWR2017年10月23日〜2017年10月29日(第43週)
 例年、咽頭結膜熱の患者数は9・10月頃に最も少ない時期を迎えますが、2017年はそれほど患者数が減少することなく、10月以降は増加傾向が続いています。

 今後、患者数の増加が継続すれば、12月のピーク時には夏季の流行時に匹敵する可能性があります。冬季の流行にもご注意ください。

 なお、プール熱という名前の方が一般的に知られるようになり、プールに入ったら感染してしまうなどのイメージを持っている方もいますが、残留塩素濃度の基準を満たしているプールの水を介して感染することはほとんどありません。

地域別情報

 2017年10月23日〜10月29日(第43週)の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは北海道、次いで山形県、宮崎県、鹿児島県、新潟県となっています。

3つの主な症状

・発熱
・咽頭炎(咽頭発赤、咽頭痛)
・結膜炎(結膜充血、眼痛、流涙、眼脂)

 一般的には、感染してからの潜伏期間は5〜7日。症状がある期間は3〜5日といわれています。

感染経路

 咽頭結膜熱の感染経路は、主に接触感染です。また、飛沫感染もあります。

 原因ウイルスは、アデノウイルスで、感染力は強力です。直接接触だけではなくタオル、ドアの取っ手、階段やエスカレーターの手すり、エレベーターのボタン等の不特定多数の人が触る物品を介した間接接触でも感染が広がります。

 アデノウイルスは、環境中で数日間活性を保っているため、施設やご家庭などで患者が発生している場合は、皆がよく手を触れるものを中心に消毒を行うことも重要な感染対策となります。

治療方法

 特異的な治療方法はなく、対症療法が中心となります。眼の症状が強い時には、眼科的治療が必要となることもあります。

予防法

 主に接触感染で伝播し、感染力は非常に強いです。予防法としては、流水石鹸による手洗いが第一です。

 ドアノブや階段の手すり、電車のつり革など、間接的な接触によって感染するため、流行期間中はしっかりと手を洗うことを心がけてください。

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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏