図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第45週まで)<br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏 図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第45週まで)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 今シーズンのインフルエンザ患者発生の立ち上がりは新型インフルエンザを除けば過去に例を見ないほど早く、11月初旬に流行開始となってしまいました。今後のインフルエンザの患者発生の動向については注意してください。

流行のようす

 薬局サーベイランスによると、今シーズン(2016/2017年シーズン)の2016年第45週(11月7日~13日)のインフルエンザの推定患者数は31,087であり、前週(第44週:10月31日~11月6日)の推定患者数(21,437)よりも急増し、薬局サーベイランスにおける全国的な流行開始の基準値(30,000)を上回りました。

 昨シーズン(2015/2016年シーズン)で推定患者数が30,000を超えたのは2015年第52週であり、それよりも流行の立ち上がりは8週間早くなっています。また、新型インフルエンザの流行時期を除けば、2009年の薬局サーベイランス開始以来、これほど早期にインフルエンザの流行が始まったのは初めてとなります。

 休日明けの第46週の月曜日(11月14日)の推定患者数は9,792と第45週の月曜日の値(5,313)を大幅に上回っており、今後更にインフルエンザの患者数は大きく増加していくものと推定されます。

 例年よりも1か月以上早く、12月中にはインフルエンザは本格的な流行となる可能性が高いと思われます。

都道府県別情報

 各都道府県別の第45週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数をみると、沖縄県、福井県、栃木県、北海道、新潟県、茨城県、岩手県、東京都の順となっています。中部から東側に流行の大きな地域が目立ちます。

年齢別情報

 2016年第36週から第45週までの累積の推定患者数は112,296であり、年齢群別では40~49歳(13.9%)、30~39歳(12.5%)、10~14歳(12.4%)、20~29歳(11.2%)、5~9歳(11.1%)の順となっており、前週に引き続いて40代、30代が多数を占めていますが、小児の割合が高くなりつつあります。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/11/16