「風しん?小さい頃にかかった気がする…」
「昔、風しんワクチンを受けたような…」
その記憶、正しいものですか?
風しんは、妊娠した女性が感染してしまうと、お腹の中の赤ちゃんにも感染し、
赤ちゃんが病気を持って生まれる可能性があります。
この病気を「先天性風しん症候群」と言い、妊娠初期ほどその確率は高くなります。

そもそも風しんってなんだろう?

 発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症

 風しんは感染力が強く、1人の患者から免疫がない 5~7人に感染させる可能性があり(インフルエンザでは 1~2人)、特に成人で発症した場合、高熱や発しんが長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。 また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあり決して軽視はできない疾患でもあります。
 風しんは、風しんウイルスを含んだ飛まつ(咳やくしゃみ、会話、発語などで飛び散るしぶき)を吸い込んで感染します。発症予防には風しんのワクチン接種が極めて有効です。
 風しんは子どもの病気と思われがち。実は、子どもよりも大人の間で風しんの感染が広がっているため、近年では大人も注意が必要なのです。

それでは、先天性風しん症候群って?

 風しんウイルスの胎児感染によって先天異常を起こす感染症。

 免疫のない女性が妊娠初期に風しんにかかると、風しんウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風しん症候群 (CRS)と総称される障がいを引き起こすことがあります。
 CRSの3大症状は先天性心疾患、難聴、白内障です。このうち、先天性心疾患と白内障は妊娠初期3ヵ月以内の母親の感染で発生しますが、難聴は初期3ヵ月のみならず、次の3ヵ月の感染でも出現する症状です。しかも、高度難聴であることが多いとされています。3大症状以外の症状には、網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球など多岐にわたっています。

まず自分の抗体価を知ろう~ 風しんの抗体検査について~

 妊娠を希望する方は、「抗体検査」。未来の赤ちゃんへ、想いのカタチ。

 これから妊娠を希望する女性の方で、風しんワクチンを受けているか不明な方、風しんにかかったことが確実でない方は、まず、ご自分の風しん抗体価を検査しませんか? 「検査」と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、実際は採血だけで結果がわかります(風しんの抗体検査の流れ)。
 そして、その結果に応じて、医師と相談のうえ、ワクチンの接種をご検討ください。 風しんの予防接種は、はしか(麻しん)も一緒に予防できる「麻しん風しん混合(MR)ワクチン」を受けることをお奨めします。 未来に出会う大切な赤ちゃん。生まれつきの病気を持たないよう、ママになる前にしかできないことがあります。

 現在、多くの自治体では先天性風しん症候群の予防のために、主として妊娠を希望する女性を対象に、風しんの抗体検査(免疫の状態を調べるための血液検査)を無料で実施しています。
 風しんの抗体検査の実施状況については自治体により異なりますので、抗体検査を希望される方は、お住まいの地域の保健所までご相談ください。

お住まいの地域の保健所検索≫


出典:厚生労働省ホームページ「風しんの感染予防の普及・啓発事業」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/vaccination/qa.html
更新:2014/11/14