「感染症・予防接種ナビ」は、広島テレビ放送が運営しており、厚生労働科学研究「ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランスとワクチン効果の評価に関する研究」(研究代表者・鈴木基)の 「ワクチンの有効性、安全性、啓発に関する研究」(研究分担者・岡部信彦)の研究活動の一部に協力しています。
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新型コロナウイルス感染症

2019年末頃より「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」が中国の武漢市を中心に出現し、世界中で患者数が増加しています。

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感染症ニュース

【感染症ニュース】新型コロナ全国定点3.71 0歳児が酸素投与と点滴投与で5日程の入院… 医師「めったに無い珍しいケース」

厚生労働省が2024年4月19日に発表した2024年第15週(4/8-14)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は3.71。前週(4/1-8)の4.26と比べて、微減となりました。都道府県別にみても、多くが減少、若しくは横ばいに近い微増となっています。現状について、感染症に詳しい医師に聞きました。

【2024年】4月に注意してほしい感染症!RSウイルス感染症徐々に増加 麻しん(はしか)流行に注意 医師「春休み明けもインフルエンザ下がり切らない懸念」

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、「新型コロナの流行が定点4を割ってきました。状況が落ち着きをみせる一方で、気がかりなのは、まだ一定の患者報告数は出ていることです。患者数の減少に合わせ、勤務先の入院が必要な患者さんも減ってきてはいますが、なかなか0になりません。呼吸困難を伴うなど、重症の患者さんの入院も未だ目にします。基礎疾患をお持ちの方で、免疫抑制剤などを使われている場合は、引き続き注意してください」としています。

また、今回、『感染症・予防接種ナビ』に寄せられた0歳児の入院例の経験談をご紹介します。

新型コロナ経験談 0歳千葉県

夜間に咳が出ていましたが日中は落ち着いていたので様子をみていました。その日の夜にも咳が出始め、クループ咳のような犬吠様咳嗽に変わっていました。抱っこで入眠できていたので朝一番で受診し、コロナの検査をしましたが陰性。吸入で一旦呼吸状態は落ち着いた様にみえ、ステロイドの内服などが処方されました。しかし帰宅後から呼吸は徐々に悪化したため、夜間救急を受診しました。再びコロナの検査をすると陽性、呼吸状態も悪く肺炎の診断で入院しました。酸素投与と点滴投与で、5日程で退院できました。

経験談について安井医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、「一般的に赤ちゃんは、無症状の子が多いので、珍しいケースと言えるでしょう。もちろん、中には、重症化する子もいますが、大人、特に高齢者と比較するとその症状は、比較的軽いです。今回のケース、直接診察した訳ではないので、分からない部分もありますが、余程、症状がよくなかったのでしょう。CTなどをみていないので、コロナ肺炎かどうかの判断はつかないのですが、ここまで重症化するのは、やはり珍しいケースです。お子さんにみられる『犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)』があったとのことですが、咽頭部分に、何らかの炎症が起こり、呼吸状態が悪くなったと考えられます。これまで、お子さんの入院の症例もみていますが、大人と違い、重症化例はめったにないです。しかし、オミクロン株の流行から、お子さんの罹患も増えました。国立感染症研究所の『新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第二報)』でも、お子さんの死亡例が報告されています。お子さんの体調の変化を見逃さないようにお願いします。今回、お寄せ頂いた保護者の方も、気が気でなかったと思います。お子さんともども、くれぐれも、ご自愛ください」としています。

引用
新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第二報)
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」、インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2024年4月期

RSウイルス感染症
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
新型コロナウイルス感染症
麻しん(はしか)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2024年第15週(2024年4月8日~2024年4月14日)

流行の様子

RSウイルス感染症 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 麻しん
 

RSウイルス感染症

報告数
北海道
267
青森
3
岩手
8
宮城
39
秋田
4
山形
15
福島
54
茨城
48
栃木
54
群馬
92
埼玉
295
千葉
116
東京
425
神奈川
280
新潟
49
富山
24
石川
48
福井
91
山梨
9
長野
33
岐阜
55
静岡
80
愛知
182
三重
99
滋賀
36
京都
144
大阪
774
兵庫
222
奈良
142
和歌山
26
鳥取
2
島根
17
岡山
14
広島
97
山口
107
徳島
37
香川
18
愛媛
51
高知
16
福岡
120
佐賀
22
長崎
27
熊本
31
大分
11
宮崎
64
鹿児島
75
沖縄
25
RSウイルス感染症は、乳幼児に注意してほしい感染症で、特に1歳未満の乳児が感染すると重症化しやすいです。お子さんに発熱や呼吸器症状がみられる場合は、かかりつけ医に相談してください。感染経路は、飛沫感染や接触感染です。お子さん向けのワクチンはまだ実用化されていないため、手洗い、うがい、マスクの着用を徹底しましょう。家族以外にも保育士など、乳幼児と接する機会がある人は特に注意が必要です。
情報元:IDWR2024年第15週(2024年4月8日~2024年4月14日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

感染すると、2~5日の潜伏期間の後に発症し、突然38度以上の発熱、全身の倦怠感、喉の痛みなどが現れ、しばしば嘔吐を伴います。また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。まれに重症化し、全身に赤い発疹が広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」になることがあります。発熱や咽頭痛など、新型コロナの症状と似ており区別がつきにくいため、症状が疑われる場合は速やかにかかりつけ医を受診しましょう。主な感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染です。感染の予防には手洗い、咳エチケットなどが有効です。
情報元:IDWR2024年第15週(2024年4月8日~2024年4月14日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

流行は、今後、落ち着きをみせると思われますが、水準的には、減り切っていないため、2024年4月以降も、しばらく、患者発生動向には注意していく必要があると考えています。また、4月から、新型コロナウイルス感染症に関する特例措置が終わり、通常の医療提供体制へ完全に移行します。これにより、新型コロナワクチンの特例臨時接種(無料)も3月末で終了し、4月からは自費での接種となります。また、治療薬の薬剤費や入院医療費についても公費の負担が3月末で終了し、他の疾病と同様に医療費の自己負担割合に応じた通常の窓口負担になります。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

麻しん

麻しんは「はしか」とも呼ばれ、パラミクソウイルス科に属する麻しんウイルスの感染によって起こる急性熱性発疹性の感染症です。麻しんウイルスは人のみに感染するウイルスであり、感染発症した人から人へと感染していきます。感染力は極めて強く、麻しんに対して免疫がない人が麻しんウイルスに感染すると、90%以上が発病し、不顕性感染は殆どないことも特徴の1つです。現在ではビタミンAが不足すると麻しんの重症化を招きやすいことが知られており、発展途上国ではその死亡率が10~30%に達する場合があると言われています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
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「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
厚生労働省が4月12日に発表した「インフルエンザの発 生状況について」令和6年第14週(4/1-7)による と、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は5.10。 去年の10月以来、久しぶりに10を下回りました。すべ ての都道・・・
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厚生労働省が4月12日に発表した「インフルエンザの発 生状況について」令和6年第14週(4/1-7)による と、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は5.10。 去年の10月以来、久しぶりに10を下回りました。すべ ての都道府県で前週(第13週)より少なく、10を超え る県は山形11.47と新潟10.25だけです。感染症 に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の 安井良則医師は「インフルエンザの全国の定点当たり報告 数は、前週と比較しても半分以下となりました。しかし、 この第14週は学校や幼稚園・保育園などが春休みの時期 と重なっています。インフルエンザ定点は小児科が多いた め、長い休みの影響を受けます。流行の傾向は次の15週 16週の数字を見ないとわからないでしょう。通常、イン フルエンザは短期間に大きな流行の山を作ります。今シー ズンは爆発的な流行はなかったものの、患者は長期に渡り 出続けていたため、患者数はこの10年で最多となってい ます。本来であれば夏頃はインフルエンザの患者はほとん ど出ないのですが、今後も要警戒だと思っています」
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