【7月に注意してほしい感染症!】新型コロナ徐々に増加 夏の感染症「手足口病」警報レベルのエリアも… 医師「マイコプラズマ肺炎、今後、更に増加」と予測
感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、「新型コロナウイルス感染症の患者報告数が、全国的に急増しています。私の勤務先のある大阪府のこれまで患者報告数は、比較的低かったのですが、第28週は、前週比で51%増と大きく増えています。定点報告数が10を超えるエリアも増加しており、インフルエンザなら、注意報レベルです。定点報告は、小児科定点を使用しています。新型コロナウイルス感染症は、子どもから大人まで、各年代で流行するため、インフルエンザ定点10時の患者報告数よりも流行が大きい可能性があります。当院では、新型コロナ患者さんの受け入れを行っていますが、現在、入院の数が退院を上回る状況で、満床になりつつある状態です。7月の第4週は、更に多くの方が入院される状況になると予測しています」としています。新たな変異株KP.3が急増
国立感染症研究所感染症疫学センターでは、新型コロナウイルスに関するデータを発表していますが、第22から25週にかけての調査では、その期間に検出した新型コロナウイルスはBA.2系統が89.29%。特にKP.3.3という株が70.71%と最も多くなりました。KP.3.3はオミクロン株の一種ですが、ワクチンや感染による中和抗体による免疫からの逃避の可能性が高く、以前感染したことがある人でも、再感染しやすいと言われています。一方、症状については過去に流行したBA2.86などとそれほど変わらないと見られています。ワクチン後期間経過で抗体価が低下?
安井医師は医療現場の状況をこう語っています。「現在流行している株がKP.3.3に置き換わっても、症状はそれほど変化していないと感じています。しかし肺炎の方が多くなっていて、高齢者の方でも肺炎がみられるようになりました。これは以前にはなかったことです。原因として考えられるのは、ワクチンを接種してから多くの方が6か月以上経過していて、抗体価が下がっているのではないかということです。今年の秋冬に自治体による定期接種が予定されていますが、この夏の流行は重症化に十分注意する必要があると思います」
引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について令和6年第28週、新型コロナワクチンQ&A、新型コロナワクチンについて
国立感染症研究所感染症疫学センター:新型コロナウイルス感染症サーベイランス月報発生動向の状況把握2024年6月
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について令和6年第28週、新型コロナワクチンQ&A、新型コロナワクチンについて
国立感染症研究所感染症疫学センター:新型コロナウイルス感染症サーベイランス月報発生動向の状況把握2024年6月
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏