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学校での流行にも注意! 学校での流行にも注意!
 インフルエンザの感染者が、徐々に増えています。国立感染症研究所の第43週(10/24-30)速報データによると、全国の定点あたりの報告数は、第39週(9/26-10/2)から4週連続増加。厚生労働省発表の第44週(10/31-11/6)インフルエンザ発生状況では、大阪、東京、京都、兵庫、愛知、神奈川など、大都市圏の都道府県の報告数が多くなっています。

大阪府では前週比較346%増!学年閉鎖の小・中学校も。

 大阪府感染症発生動向調査週報第44週(10/31-11/6)の速報データによると、定点把握の報告実数は107例で、前週比較346%増。小・中学校でそれぞれ1校が学年閉鎖、5校の小学校で学級閉鎖が起きています。大阪健康安全基盤研究所によると「地域では、堺市、大阪市南部、西部が多くなっています。また、特に小・中学校の間で流行しているというわけではなく、学齢前の子どもや大人など、広い年代で患者が報告されています」とのことです。

感染症の専門医は・・・

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師も、大阪府のインフルエンザ患者の増加に注目しています。

 「インフルエンザは20/21、21/22の2シーズン、大きな流行はありませんでしたので、大阪での流行の兆しは、やがて全国に広がり、12月後半ぐらいから本格的な流行になるのではないかと予測しています。新型コロナウイルス感染症も再び増加傾向にあり、同時流行も心配です。ワクチン接種を含め、予防に心がけていただければと思います」

インフルエンザの症状とは?

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳(せき)などの症状も見られます。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。

インフルエンザにかかったかもしれない時は?

 高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪ければ早めに医療機関を受診しましょう。そこまで具合が悪くなくても、インフルエンザにかかったかなと思ったときは、

・安静にして、休養をとりましょう。特に、睡眠を十分に取ることが大切です。
・水分を十分に補給しましょう。お茶でもスープでも飲みたいもので結構です。
・人混みや繁華街への外出を控え、無理をして学校や職場などに行かないようにしましょう。
・咳やくしゃみなどの症状があるときは、家族や周りの方へうつさないように、飛沫感染対策としての咳エチケットを徹底しましょう。

子どもがかかった時には、特に注意を

 インフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類に関わらず、異常行動が報告されており、未成年者など子どもがかかった時には、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロと歩き回るなどの異常行動を起こすことがあります。自宅で療養する場合、インフルエンザと診断され治療が開始されたあと、少なくとも2日間は、小児・未成年者が一人にならないなどの配慮が必要です。

そして、しっかりと予防を!

 そして重要なのは、インフルエンザにかからないようにしっかりと予防をすることです。外出後の手洗い、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取、人混みや繁華街への外出を避ける、室内ではこまめに換気をする、そしてワクチンの接種が予防に有効です。

引用
国立感染症研究所:IDWR速報データ2022年第43週
厚生労働省:インフルエンザの発生状況について 2022年第44週、令和4年度インフルエンザQ&A
大阪府感染症情報センター:大阪府感染症発生動向調査(速報)2022年第44週

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
大阪健康安全基盤研究所

※11/15訂正