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 手足口病の局所的な流行が続いています。

 例年の流行は夏季が中心ですが、季節外れの流行の兆しをみせています。

 国立感染症研究所によると、第33週(8/16~22)以降は増加傾向にあります。熊本県では、第23週(6/7~13)から13週連続で報告数が増加していましたが、第37週(9/13~19)の報告でようやく減少がみられました。

 熊本県の健康危機管理課によると、1歳までの子どもに感染が多くみられたそうです。感染報告数の増加をうけ、同課では対策として、地元のテレビや新聞に手足口病の感染が増加していると伝え、注意喚起してもらうようにしたとのことです。また、毎週、熊本県のホームページにて週報を掲載し、トピックとして手足口病の増加について掲載するなど、県民全体への注意を促しました。例年であれば、7月下旬に流行のピークを迎え、その後は減少していきますが、今年は8月に続き、9月に入っても報告数が増加するなど、異例の事態だったそうです。

 国立感染症研究所の最新のデータによると、熊本県での手足口病の報告数は、前週よりも減少しました。一方、依然として全国平均よりも高い水準で、報告が続いていることから、今後の推移に注意が必要です。

 全国的な流行には至っていないものの、九州地方では、福岡県や大分県でも感染者数が増え始めています。

 また、大阪府でも報告数が増え始めており、周辺の兵庫県でも第36週(9/6~12)に比べて、第37週(9/13~19)は定点当たりの報告数が増えていることから、こちらも今後の推移に注意が必要です。

手足口病とは

 手足口病は、口の中や、手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症です。子どもを中心に、主に夏に流行します。

 感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。特に、この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。

 理由は、子ども達同士の生活距離が近く、濃厚な接触が生じやすい環境であることや、衛生観念がまだ発達していないことから、施設の中で手足口病の患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすいためです。また、乳幼児では原因となるウイルスに感染した経験のない者の割合が高いため、感染した子どもの多くが発病します。

 感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続くことは通常はありません。ほとんどの発病者は、数日間のうちに治る病気です。

 しかし、まれですが、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。なお、近年、コクサッキ―ウイルスA6感染により手足口病の症状が消失してから、1か月以内に、一時的に手足の爪の脱落を伴う症例も報告されていますが、自然に治るとされています。

手足口病の予防対策は

 一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員とこども達が、しっかりと手洗いをすることが大切です。特におむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。

 手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしてはいけません。

 手足口病は、治った後も比較的長い期間便の中にウイルスが排泄されますし、また、感染しても発病しないままウイルスを排泄している場合もあると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗いが大切です。

◇感染症予防接種ナビでは、みなさまから手足口病の経験談を募集しています◇

取材:熊本県 健康危機管理課
引用: 厚生労働省「手足口病に関するQ&A」
文:感染症ニュース取材班