【感染症ニュース】溶連菌感染症 12月の流行に向け患者数増加に注意

2018年10月24日更新

図:溶連菌感染症定点当たり報告数<br />情報元:IDWR 10月8日〜10月14日(第41週) 図:溶連菌感染症定点当たり報告数
情報元:IDWR 10月8日〜10月14日(第41週)
溶連菌感染症とはどんな病気?
溶連菌感染症は、主にA群溶血性レンサ球菌を病原体とする感染症のことをいいます。

感染すると、2日から5日の潜伏期間の後に発症し、突然38度以上の発熱、全身倦怠感、喉の痛みなどが現れ、しばしば嘔吐を伴います。また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が、現れます。まれに重症化し、全身に赤い発疹が広がる「猩紅熱」になることがあります。

溶連菌感染症は、発症者の咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」によってうつります。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎はいずれの年齢でも起こり得ますが、学童期の小児に最も多く見られます。3歳以下や成人では典型的な臨床像を呈する症例は少ないです。感染症発生動向調査によると、冬季および春から初夏にかけての2つの報告数のピークが認められています。この感染症は、通常患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多いです。感染性は急性期にもっとも強く、その後徐々に減弱していきます。急性期の感染率については兄弟間の感染が最も高率であり約25%(文献によっては50%も)と報告されています。

患者数の動向
IDWRの速報データによると
2018/9/24〜9/30(第39週)は定点把握疾患、報告数が3,918件(1.24)
2018/10/1〜10/7(第40週)は定点把握疾患、報告数が4,631件(1.47)
2018/10/8〜10/14(第41週)は定点把握疾患、報告数が4,078件(1.29)

前週比較では微減。

地域別情報
2018/9/24〜9/30(第39週)の速報データによる患者数が多い都道府県ランキング
・鳥取県(3.00)
・北海道(2.19)
・埼玉県(2.02)
・宮崎県(1.86)
・福岡県(1.81)

(数字は、定点当りの患者報告数)

主な感染経路
発症者もしくは保菌者(特に鼻咽頭部に保菌している者)由来の飛沫による飛沫感染と濃厚な直接接触による接触感染です。物品を介した間接接触による感染は稀とされていますが、患者もしくは保菌者由来の口腔もしくは鼻腔由来の体液が明らかに付着している物品では注意が必要です。

予防法
予防のためのワクチンは、まだ実用化されていません。

予防には、手洗い、うがい、咳エチケットなどが有効です。

溶連菌感染症について詳しく見る

登校・登園基準
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会 2018年7月改訂版『学校、幼稚園、保育所で予防すべき感染症』によると、溶連菌感染症の登校、登園基準は「適切な抗菌薬による治療開始後24時間以降適切な抗菌薬による治療開始後 24 時間以内に感染力は失せるため、それ以降、登校(園)は可能である。」とされています。

厚生労働省の「2018年改訂版保育所における感染症対策ガイドライン」では、抗菌薬内服後24〜48時間経過していることと記載されています。

学校、幼稚園、保育所で予防すべき感染症感染症毎の登校」について詳しく見る

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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