ノロウイルス感染症 本格的な流行間近

間もなくノロウイルス感染症の本格的な流行がやってきます。ノロウイルス感染症は、文字通りノロウイルスに感染することによって引き起こされる感染性胃腸炎です。11月から急増して12月にピークを迎える嘔吐や下痢を伴う感染性胃腸炎の大半を占めているといっても過言ではありません。

ノロウイルス感染症の潜伏期間は1〜2日と他の感染症と比べて短めです。主な症状は嘔気・嘔吐及び下痢であり、嘔吐・下痢は1日数回から多いときには10回以上のこともあります。しかし、症状持続期間は数時間〜数日(平均1〜2日)と比較的短く、以前から他の病気がある等の要因がない限りは、重症化して長期にわたり入院を要することは少ないです。また、発熱することはあまりなく、あっても微熱程度であることが多いです。特効薬はなく、治療は対症療法が中心となりますが、最も重要なことは水分を補給することによって脱水を防ぐことです。

ノロウイルスの感染経路としては、以前は食中毒としての経口感染がよく知られていましたが、他に発病者や無症状でありながらノロウイルスを体外に排出している人(無症状病原体保有者)との直接もしくは間接的な接触による接触感染や、患者の嘔吐物や下痢便を介した飛沫感染等のヒト-ヒト感染があります。その感染力は非常に強く、保育園や幼稚園、小・中学校等での流行ではヒト-ヒト感染で感染伝播している場合の方が圧倒的に多いと思われます。また、「吐物や下痢便の処理が適切に行われなかったために残存したウイルスを含む小粒子が、掃除などの物理的刺激によって舞い上がり、それを間近とは限らない場所で吸引し、経食道的に嚥下して消化管へ至る感染経路」である「塵埃感染」が発生する場合があり、その場合は大規模な集団発生を引き起こす場合が少なくありません。
■ノロウイルス感染症とは

図1

図1は全国約3000か所の小児科定点医療機関から感染性胃腸炎として報告された2003年〜2014年第44週までの受診患者報告数に基づいた解析結果をグラフにしたものであり、第43週、第44週と2週連続して増加が見られています。この感染性胃腸炎の報告数は、ノロウイルス感染症の増加によって今後さらに急増してくるものと予想されます。

図2

図2は全国の都道府県別の流行状況を示しており、大分県、香川県、富山県の順となっていますが、大都市圏では大阪府、福岡県、神奈川県の順となっています。繰り返しますが、間もなくノロウイルス感染症の本格的な流行が間近に迫っています。十分にご注意下さい。

ノロウイルス感染症の症状と治療、感染経路、予防方法を詳しく解説
■ノロウイルス感染症とは

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/11/14

関連記事
ノロウイルス感染症とは

▲ページトップへ
HOME

感染症・予防接種ナビ